2024/05/03

中華エンジン 1P52FMI-C リーファン125、50000km走行達成でピストン・シリンダー・ステムシール等を交換②

前回の記事はこちら


ではヘッドを外していく。

組む時にガスケットにはオイルだったかグリスだったか忘れたが、油分を薄く塗って馴染ませておいたので軽くスクレーパーを当てるだけでペロンと剥がれた。5年間一回も開けていないのに。

規定のトルクできちんと締めておくのが前提だけど、今までオイルが漏れたり吹き抜けたりしていないのでオイル塗り作業はお勧め(自己責任で。賛否両論なのは理解してます)

乾いたガスケットに液ガスを塗りたくってるような動画をたまに見たことがある。

液ガスまでいかなくても新品のまま組んでいるのがほとんどだと思う。

それが正解なんだろうけど、ああすると年月が経ってから分解したときに面倒な事になると思う。

オイル塗りのガスケットは、なんなら再利用が出来るぐらいの状態でガスケットが取れる(潰れてて厚みが減ってるから良くはないんだろうけど)

今回手持ち部品がある物はとりあえず全部交換するけど、中華ガスケットは純正と違っていつ入手不可になるかわからないのでお古のガスケットも保管しておく。

破れてないから市販のガスケットシートを使って切り出すこともできるだろうし。

ガスケット剥がし作業が不要なのでその点は楽ちん

ヘッドを取ってみて…驚いた。

ガスケットは吹き抜けもなくて正常だったが、バルブの汚れが両方ともすごいことになっている。

これは…カーボン噛みの寸前だったか!?

危険な状態。自分の乗り方が悪かったのだろうか…?

ピストン側も結構な汚れ具合。
下のバルブリセスがカーボンの堆積でほとんど埋まってしまってる。
上は全然綺麗…でも、下がガビガビ!

なんだかバルブが溜まったカーボンに当たっていたような跡も見える。


ちょっと湿気の有るカーボンなのでやはり結構オイルが回ってきていたようである。

このあとピストンリングも確認したが、こちらはほぼ異常なし。
ということはピストン側からのオイル上がりではなく、ステムシールからの下がりが原因だったか。

もう少し早めのスパンでステムシールは交換すべきなのだな、と学習。

ヘッドカバーの内部は綺麗

ロッカーアームは当たり面がすり減っていた。
これぐらいは大丈夫だと思うが部品があるので新品に交換する。


カムやロッカーアームシャフトも新品に交換。
ステムシールは純正新品を使用。


燃焼室を掃除して新品バルブをコンパウンドで摺り合わせして組み込む。
バルブ類は再使用しないからかなり楽したが、バルブシート面がカーボンで結構傷んでいたので念入りに摺っておいた。
給排気バルブだけは掃除しての再利用が面倒すぎるので、次回のために新品を買い足しておこうかな。


シリンダーも下ろしてピストンを見る。
横型の宿命なのかシリンダー上下部に当たるピストン側面には薄い縦筋が多い。
稼働中のエンジンからは特に首振りしてるような音はしていなかったが、常に微妙に振っているのだろう。

これぐらいの縦筋は仕方ない範囲だと思う…

頭のカーボン汚れは酷いものだがピストンリングはするすると動き、張力も十分残ってる。
溝への固着は見られなかった。

ただオイルリングの下方にあるオイルの吹き出し穴?は数か所詰まっていた。
ピストンピンも抜けないほどではないが、表面は少し荒れてた。
でもこれぐらいなら洗えばまだ使える状態と思う。


外したシリンダーを見ると摺動面はピカピカになってて多少筋はあるものの、まだクロスハッチが残ってる。


新旧シリンダー。
52.4mmから54mmへ。
少しだけボアアップ。



コンロッドの縦ガタは全く無かったのでホッとした。
確か縦方向は揺らしてみてちょっとでもガタ出たらクランク丸ごと交換!(大端部のニードルベアリングを交換できるほどの環境が無いため)と、聞いてたので助かった。


ピストン裏側はうまく潤滑できていたようだ。
ピストンピンのはまる小端部には傷はほぼ無いように見える。


14mmピストンピン。上が新品。下が使用済。


ここで問題発生。

ノックピンが一箇所だけ錆びて固着。
スタッドボルトを外してドライバーをガイドにして潰さないように抜こうとしたが、無理だった。
仕方ないのでパイプレンチでじわじわと抜いたが、案の定、潰れてしまった…。


ノックピンは7mmの新品在庫があったので交換できた。
オイルを塗っておくが、多分この辺はまた錆びると思う。仕方ない。

あとはオイルラインの新品Oリングなどを忘れないように入れて組み戻す。
シリンダーにピストンリングを付けてピストンクリップを片側だけ付ける。
そしてピストンリングの部分を事前にシリンダーにはめた状態でスタッドに差し込んで、コンロッドの穴に合わせてピストンピン・ピストンクリップを取り付けて根本まで差し込むとリングコンプレッサーが無くとも楽に組める。


どこに擦っているのかよく分からない汚れたカムスプロケットや留めボルトもせっかく新品があるので換えた。
歯は特に傷んではいないが、まあ、気分気分。

なんでか分からないがスプロケットが汚い…


カムチェーンは伸びも無く正常なようなのでそのまま使う。
合いマークもぴったり合う。
聞いたところによると、チェーンの伸びる原因はオイル中に溶け込んだカーボンの微粒子がチェーンより硬いので徐々にピンをすり減らして、結果伸びてしまうらしい。
まめなオイル交換しか対策がない。

忘れないうちにバルブクリアランスを調整しておく。
余談だがデコンプレバー付きカムのバルブクリアランス調整はデコンプレバー無しとは違って少し特殊なので気を使う。
上死点を出す時にわずかでも逆転させてしまうとロッカーアームがデコンプカムに乗り上げてしまい、クリアランスをきっちり合わせていても始動したら一発で狂う。

プラグを外しておいてフライホイールをじわじわと回転させてTマークへと合わすしかないが、そうやっていても過去に何度も失敗している。
始動してカチカチいいだしたら大抵これが原因。
正直言ってデコンプの恩恵をあまり感じないので、次回は取り外してしまおうかとも考えてる。

シリンダーの塗装が妙にテカテカで安っぽい…

ヘッド4本と側面のボルトを軽く締めた状態で手で10回ぐらいキックペダルを押してクランキング。
その後でトルクレンチで本締めして終わり。
(ピストンとシリンダーのセンター合わせのつもり。自分はなるべく馴染ませるように毎回この儀式をやるが、やらない人も多い?)

全部組めたらいよいよ火入れ。一発でかかった。
気のせいか妙なメカノイズが消えてだいぶ静かになった感じ。

しばらくアイドリングで放って置いた。
以前のようなオイル臭さも無いし、マフラーからの一発一発の排圧もバッチリなのでひとまず安堵する。


エンジンも温まったので最後に圧縮圧力を測定。
結果は155psi。約10.9kg/cm。

作業前後でほとんど変化は無いようだ。
一般的な13kg/cm前後ぐらいになるかと思ったが甘かった。
やはり元々低圧縮なエンジンなんだな。
一生懸命作業したのにちょっとがっかり…。

でも試走してみたら間違いなくトルク感がアップしてました。
嬉しい。

作業後

作業前

【作業後の考察】

外したピストンリングもまともだったし、シリンダーも綺麗だったのを考えると元々このエンジンはこれぐらいの数値で正常なのだろうと考える。
何にしてもステムシール以外は50000km走ったぐらいじゃなんともなかったのが少し驚きである。

リーファン内製エンジンは自分が思ったよりずっとタフらしい。
でも今回、「どこの馬の骨シリンダーキット」に交換してしまったので今後どうなるかは不明である。
なので一応外した52.4mmのシリンダー類は今後不調になった時のために捨てずに洗って保管しておこうと思う。

交換前のピストンリングをシリンダー内にあてがってみた。
ほとんど減っていない。

多分ステムシールを換えてバルブ周りを掃除するだけで今回のオイル食いの症状は収まったのだろう。
ある程度カーボン掃除できてすっきりしたし、腰上の点検が出来たと思えば、まあいいか…。

これでしばらくは安心して乗れそうです。

おしまい

2024/05/01

中華エンジン 1P52FMI-C リーファン125、50000km走行達成でピストン・シリンダー・ステムシール等を交換①

※エンジンオイルは1000km前後で交換する

これだけを厳守して走った所、ほぼノートラブルで5年間、5万キロを走破できた。


毎日乗っているのが良いのか分からないけど各部オイルシール、クランクケース、シリンダー、ヘッドガスケットからのオイル漏れも無し。

しかし。このところ少しばかりにオイルを食うようになってきたようだ。

500kmぐらい走ったあたりでオイルゲージで確認すると、交換したときにはギザギザの真ん中ぐらいにあったオイルが先っちょに触れるぐらいにまで減っている。

排気ガスもなんだか少しオイル臭い。


アイドリングで目に見えるような白煙は出ていない。

走行中に後ろを振り返ってマフラーを見ても出てない。


一番わかり易いのは夜間、後ろから車のヘッドライトにでも照らされたところをミラーで見るとはっきりと確認できるのだろうけど、夜間走行はほとんどしないので未確認。


ということで安物のコンプレッションゲージを買って圧縮圧力を測ってみた。


少し低すぎるような気がするが、まあ大丈夫でしょう

そこで友人に一緒に走ってもらい、いろんな走り方をして排気の色を確認してもらったら「ほとんど無色だけど、下り坂、特に長いエンブレ後の立ち上がりで一瞬だけ薄い白煙が出ている」とのことだった。


ステムシールは流石に劣化してるんじゃないかと思う。

ちょっと面倒だが腰上を全バラしてみることにする。

現在オイル漏れも異音もないのに下手にバラして調子崩すのは嫌だが、このまま放置するわけにもいかないので仕方ない。


せっかくバラすのだからこの際換えられるようなところは全部換えよう。

手持ちの新品のパーツは

給・排気バルブ 各一個

ロッカーアーム 2個

ロッカーアームシャフト 2本

カムシャフト 1本

デコンプレバー 1個

ステムシール 2個

バルブスプリング 4本組 1セット

バルブスプリングシート 2枚


ピストン・シリンダー・ガスケットのセットをアリエクスプレスで注文。このピストンピン14mmのキットは希少品?

間違っても13mmは買わないようにしないと。

リーファンはピストンピンの直径が14mmなので注意。


「MULTI」という全部入りのやつを注文。中華パーツとしてはお高い部類だ。

https://www.aliexpress.com/item/1005001416709796.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.122.2ee2585al1vJab&gatewayAdapt=glo2jpn

各部の寸法を明記していない出品が多い中、ちゃんと写真に細かく寸法を記載していたから信用した。

これの「MULTI」というセットで多分イケるはずと踏んだ。

しかしまあ、えらく高くなったね。ちょっと前までこれ6千円ぐらいで買えてたのにな。

余談だけど送料はあまりケチらないほうが良い。

最低でも追跡付きのやつにしたほうが無難。


ちなみに1P52FMI-Cリーファンエンジンの初期スペックは「ボア52.4mm✕ストローク55.5mm」

これで計算すると排気量は119.7cc…約120cc。



で、今回買ったシリンダーキットはボア54mm。

なので「54mm✕55.5mm」で計算上127ccになるが…(^_^;)


長くなったので次回へ。

後編はこちら

2022/08/13

中華エンジン 1P52FMI-C リーファン125 超強化クラッチスプリング投入とクラッチメンテナンス

お久しぶりです(^_^)

中華エンジン、リーファン125です。

メーカーのリーファンは2020年11月に倒産して無くなった(知らなかった)そうですが、こちらはまだ毎日乗ってます!

総走行距離はかれこれ30000キロ以上ですが、至って元気に稼働しています。

ほぼノートラブル…まじかよ本中華エンジン(笑)

現在のオドメーター
メーターは複数回交換しているので総走行距離は不明…

今回は特に異常は感じていませんが、遠心クラッチの分解整備。

というのも、某マニアック様より「超強化クラッチスプリング」というものを入手したから。


ヤフオク出品画面


ヤフオク説明文画面 1

ヤフオク説明文画面 2

国産のバネらしいです。すごい!
1500円もしますがご親切にクラッチカバーのガスケットなども付属します。
良心的。

ほんの興味本位での購入…どれほど変わるのか?

クラッチ圧着力はメインのクラッチスプリングが大事であって、遠心力で動くマガタマみたいなウエイトは滑りに対してはあんまり関係ないようです。

本当?


だいぶ前に買っておいたこのクラッチスプリングセットなのですが、なかなか時間が取れなくて交換していませんでした…

ついでに、さすがに擦り減ってくたびれてるであろうクラッチプレート類も一式、この際交換しときたい。

「ツーリングだー!」といえば山坂道ばっかりガンガン走ってるからね。


クラッチプレートAとB(7と8)とクラッチフリースプリング(12)はホンダ純正品。

このフリースプリングも結構大事と考えてる。

クラッチフリクションディスクAとB(6を2枚と9)は純正を買わず、安さに負けてクリッピングポイントのケブラーディスクを購入。


数字見えにくくてごめんなさい

それでは3年間フル稼働してたカバーをご開帳!

どうかなー?真っ黒にオイル焼けしてないかなー?

・・・・

ピカピカ!\(^o^)/

きれいです

特有のパーツ、ボールリテーナーではないリフター周り
ガタツキや異常なし

内側もすごくきれいです
変な破片とかもありません

クラッチレバーもカムプレートも異常なし
オイルポンプの樹脂ギヤだけは黄色っぽくなってますが
欠けや削れなどの異常はなし

オイルだけは「安物でもいいから1000キロ未満で交換!」を厳守してましたからね。

銘柄は気にせずにAZやら、果てはモノタロウのオイル使ってます。

高級なオイルなんて要らんのですよ。


ガスケットを外し、オイルポンプ直下にある唯一のオイルフィルター(通称、茶漉し)を引き出してみます。

ほぼ繊維質だけで目立った金属粉は無いようです
洗えば再利用できます

これが出した直後のフィルター。約30000キロ分の汚れです。ギリギリ?

これが詰まると腰上のオイルが途絶してアウト!ですが…。

繊維質はたぶんオイル交換時にウエスや軍手とかのほつれが少しずつ混入した物なんでしょう。

この程度の汚れならオイル交換時に排出されそうなので、あえて茶漉しフィルターは付けずにオイル交換をマメに行ったほうが詰まる心配がなくていいのかも?

と、一瞬考えましたが…万が一の場合にオイルポンプに変なものが噛み込む危険があるかな。

こうみると最低20000キロに一回ぐらいは茶漉しの掃除が必要なようです。

外から簡単にフィルター外せれればなあ。


では気を取り直して遠心クラッチ本体を分解。

分解の手順はネットにいくらでもあるようなので省略

あれ?全然磨り減った様子がないのですが…?

クラッチシュー拡大


裏面もきれいなまま…
どうしよう…
なんか新品のクリッピングポイントのケブラーディスクよりもリーファン製のディスクの品質の方が全然良さそう…。

リーファン製↑    CP製↑

クラッチシューの面積がだいぶ違うんじゃない?

うーーん…
リーファンのはホンダ純正品に近いのかな?
厚さも測ってみたけど、サービスマニュアルに記載の使用限界値まではまだだいぶある。

CP製のは裏側もちょっと汚いよな…

CP製でも差支えはないのだろうけど、今回はクラッチスプリングだけ交換してまだまだ使えそうなプレート類はそのまま組み戻します。

これが主役のマニアック様の「超強化スプリング」(正式名称?:カブ 超強化 自動遠心用 クラッチスプリング 日本製 12V用)です。
たまにしか出品されてないので、見つけたときはお早めに…w

指で潰すと分かるぐらいに硬い

リーファンスプリング↑  ↑マニアックスプリング
長さも硬さも少し違う

長さが違うのはヘタったからかな?
そりゃあ毎日押されてたらヘタるわなw

ささっと組み上げて走ってみた。(ガスケット剥がし、しんどかった笑)

最初はアイドリングで前へ前へ出ようとするし、思ったよりも随分シフトチェンジが硬くて「ヤバいかなー」と思ったけど我慢して50キロぐらい走るとアイドリングでクラッチは完全に切れ、シフトチェンジの硬さも普通に走れるぐらいに馴染みました。
体が慣れたのか?(笑)

なにより良かったと思えるのが低速時の坂道登攀。
自分は山中の林道のような道路をゆっくりと走ることが多いのですが、今まではクラッチが勝手に滑り出し、仕方なくシフトダウンしていた場面でもそのままアクセル操作だけでグイグイと登ってくれるようになりました。
しっかりと圧着してくれているのが分かり、運転が楽になった。

使っているエンジンとの相性もあるだろうけどリーファン125で使うには概ね満足できるスプリングだと思う(^_^)

追記:
いろいろ読んでたらクラッチの圧着側は勾玉ウエイトで、この強化スプリングは切れ側の方向に働く…ので、ここを強化しても無駄だという記事があった。
でも、クラッチアウターケース側から押し返す力を強くすると、結果として圧着力はアップするのではないのかな?




2020/12/03

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 異音発生?カムチェーンのリンク数は?

 ※今回購入した部品群がリーファン125に付くのかはまだ不明です。ご注意願います。

 

このシリーズの最初はこちらから

 

「最近は…」

 

2019年の3月に初めてLifanエンジンを搭載。今は2020年12月2日なので1年と9ヶ月経過。

雨の日も風の日も、ほぼ毎日乗っています。

 

通勤は往復15キロぐらいだけど休日には100~150キロぐらいのツーリングに使用。

平均燃費は街乗り平均40km/L、ツーリングで50km/L前後。燃費はちょっと悪いかな?

わたしはスピードメーター運が無いのか(安物買いの銭失い)もう何個も交換する羽目になって、その都度オドメーターがリセットされるので残念ながら正確な走行距離は分かりません。

多分15000キロぐらいはいってると思いますが…

 

全波整流化したりキャブをでっかいやつに交換したりして楽しんでいますが、驚くことにエンジン関係のトラブルの兆候はないです。


いつも始動良好だし、白煙も黒煙もなし。エンジンオイルも減りませんしオイル滲みも無し。

充電も良好。シフト抜けとか入りにくいとか、一回も体験していない。

なんて良い子なんでしょう(笑)

1000キロごとのオイルの交換(AZの安オイル使用)に気を使ってるのが良いのかもしれませんね。

メンテナンスはオイル交換ぐらいですからこれだけは厳守しています。

 

「気になる」

 

ただ、最近ひとつ懸念事項がでてきました。

”カムチェーンの伸び”です。

ガチャガチャいうわけではないし、すぐにどうこうというものでもないと思いますが。

 

(新品の状態を知っていますので、あくまでもそれに比べてですが)少しシャラシャラという音が聞こえます。

アイドリング中にも軽いシャラ音はしていますが、巡航してるときにガバっとスロットルを開けたときに顕著に聞こえます。

最初は「ノッキングしてるのかなー?」とも思ったのですが。(風の音がうるさくてイマイチ判別できない)


で、あれこれ考えてヘッド横の丸いカムカバーを外してドライバーでチェーンを揺すってみたところ、少ーし緩いんですね。

あら…これかな…?

 

本当は油圧カムチェーンテンショナープッシュロッド辺りも直に見たかったんですが、こちらを見るには

1.ステップを外して

2.シフトペダルを外して

3.ジェネレーターカバーを外して

4.フライホイールを外して

5.スタータースプロケットを外して

6.オイルセパレートプレートを外して


部品交換するならまだしも点検のためだけにこれをやるのは正直面倒なので今回はパス。


とりあえずカムカバーが開いているのでTマークとカムスプロケットの合わせマークを確認する事にしました。

結果、フライホイールを何回回して見てもTで止めるとスプロケットが半コマ分ずれています。

わたしの技量ではこれが許容範囲内なのかどうか判別できませんが、チェーンが伸びてるのは確かなように思いました。

国産のチェーンを使ってるわけでもないので多少伸びるのは仕方ないのかな。


カムチェーンを交換しよう


さて、こう思い立ったはいいのですが、このエンジンは果たして何リンクのチェーン使ってるのか?

が問題です。

確か初期オーバーホールの時に普通の横型エンジンのカムスプロケットより直径が大きかったのは覚えています。

左:ホンダ純正    右:リーファン
 

その時にカムチェーンのリンク数を数えて記録していれば良かったのですが残念ながら残していませんでした。

 

少し調べてみると純正のカブ50は82リンク。カブ90やタイカブの100EXも84リンクだと分かりました。

とすると、86~88リンクぐらいなのかな?

もう少し調べてみます。

 

”リーファン125 カムチェーン”で検索するとミニモトの商品がヒットしました。

ていうか、ミニモトでしか扱っていませんね。

国内販売でこういうエンジンの部品を扱ってくれているのは頼りになりますが、送料込みで1本2156円もします(これでも安いのかもしれません) 

 

うーん…

 

中華エンジンの部品は中華サイトで?


アリエクスプレスで調べてみると、”for Lifan125”と書いたチェーンやらバルブやら入ったセットがありました。

これだけ揃って3000円ちょい!

 

なんとデコンプカムやらバルブスプリング、ロッカーアームまで。

ヘッド周りの消耗しそうな部品がほぼ全て付いています。

バラで買ったらいったいいくらするやら…

サイズは不明ですが画像を見る限り給排気のバルブも”DQ”の刻印が入ってて、これは分解した時に見覚えのあるやつです。

このセットを注文してみましょう。

 

もし間違ってたら嫌なので、追加でチェーン単独で注文。約900円。


消耗品部品のテンショナープーリーも同じショップ内にあったのでついでに注文しました。

これらの一部はホンダ純正品とは形状が異なるのでありがたいです。

(右端の大きなプーリーがそれ。普通の横型エンジンは反対側にあるオイルポンプ駆動のため歯車の付いててネジを切っているものだがリーファンのエンジンはクランクシャフトに直接付いている単独のスプロケットでオイルポンプを回す。なのでプーリーは歯車もネジも無く、ただの「チェーンの暴れ止め」のために付いているものと思います)

 

リーファンの下プーリーはただ回るだけのプーリー

 

全部で送料込み5000円弱。

ちゃんと使えればお得!

 

※購入品のリンク貼っておきます。リンク切れの可能性大ですが。

●ヘッド周りのセット

●チェーン単独

●テンショナープーリーセット

 

届いた商品がこれ。ビニールグルグル巻きで封筒にポイって入ってた。

いつものクオリティ…

とりあえず破損はしてなかった。コッターとか部品の不足が心配だったが欠品無しだった

 

単独注文したチェーンはセット物と全く同じだった!

こいつは予備にとっておこう。

同じものが2本に

そうそう。

リンクを数えてみたら”90リンク”だった。

やっぱり結構長かった。

 

果たして使えるのだろうか…?

こんな感じに組む、と


なんだか不安

プーリーも合うのだろうか…?

 

追記:2020年12月5日

「カムチェーンとプーリーの交換作業を行いました」

 

結果、購入したプーリー3個は使えませんでした(使える場合もある?)

どれもほんのわずかだけサイズが異なります。

まず、シリンダー横に入るやつはわずかに小さい。

そして上下のやつはわずかに大きい。

特に下の”歯無しのプーリー”は直径だけではなく、厚さも(一見わからない程度ですが)違うようです。

直径が小さいのは嫌なのでシリンダー横のは最初から交換するのはやめておきました。

他のプーリーは”大きい分にはカムチェーンの張りが強めになるので良いかな?”と思い、組み上げてみました。

 

普通にエンジンもかかりアイドリングでは静かなものの、シフトペダルを踏み込みっぱなしにするとケースのどこかに当たって”ギャアアアア!”という異音が… 

 

これは予想ですが、プーリーの厚みが違う。(収まっているところはギリギリのスペースです)


クラッチが押された時にクランクシャフトが僅かに押される。


それにつれて動いたカムチェーンがプーリーをクランクケースに押し当ててしまったためだと思います。


仕方ないのでもう一回分解して元の古いプーリーに戻しました。

(分解した際によーく観察したところ、外したオイルセパレータープレートの裏に今回このプーリーの内側が当たって付けたと思われる真新しい擦り傷が見つかりました)

 

元に戻すことによって当然異音は収まりましたが、なんとももったいない事をしてしまいました…。

 

一方で90リンクの無名カムチェーンの方はバッチリ適合。

チェーンの交換は難しいかなとー思いましたが、テンショナーロッドを抜いてテンションを解除し、カムスプロケットを外すと隙間からうまいこと交換できました。

交換の後のタイミング合わせは慎重に行ってください。


交換はしましたが、”伸びている!”と、いうほどではありませんでした。

両方を吊り下げて状態を見ても”0.5mmぐらいの違いかなー?”程度で、まだまだ使えるものでした。

プーリー類も全然削れたような様子は無く(少し硬いような気はした)、今回の作業はわたしが神経質すぎたのかもしれません(もうすぐ割れるのかもしれませんが 笑) 

 

追記2:2020年12月6日

 

本日オイル交換をしてこの状態で100キロほど走行してきました。

異音などはなく、燃費を計測してみたら約60km/Lまで伸びました。


90リンクを調べてみたら”エイプ100”とかが90リンクなので使えそう。

だが、圧倒的にこっちのが安い。


追記3:2024年3月6日

搭載時より5年経過です。

今もこの状態のまま部品交換などしないで快調に毎日乗っております。

オイル漏れや異音などありません。


※今回購入した部品群がリーファン125に付くのかはまだ不明な部分があります。

ご注意願います。


#中華エンジン #リーファン