次はフライホイール(ジェネレーター)のカバーを外してみます。
徐々にボルトを緩めて抜き取ります。
フライホイールですが、
「純正の物より厚みがあるので普通のカブエンジンとの互換性は無いです」
と出品者様から事前に聞いていました。
なので(現在実際に組み合わせて確認してはいませんが)ジェネレーターカバーやカバー側にくっ付いているコイル・フライホイールも含めて出品者様のおっしゃるとおり純正カブエンジンとの互換性は無いのではと思います。
リーファン印が嫌でホンダマーク入りの純正に交換したい時はジェネレーターカバー&フライホイール&コイルなどの一式をごっそりと入れ換えなくてはならないようなので意外と大変そうです(金額面が)。
このまま使っても機能的には問題なさそうですけど。
残念ながらフライホイール中心部が少し錆びていました。
(でもエンジン全体で錆があったのはここだけでした)
動作には問題ないようです。
このセンターの大きいナットがとても固く、電動インパクトレンチでガリガリやってみたんだけど、残念ながら外れませんでした。
後で外し方を探ることにして次に移ります。
ヘッド周りの分解。
スタッドボルトネジ頭サイズや袋ナットは【M7】でした。
やはりここは50ccや90ccのような純正スタッドボルト(M6)のサイズではなくタイカブ並みの大きさのようです。
これならトルクレンチでMAX1.8キロぐらいまでなら閉められそうです。
カムは出品時の説明にはなかったのですが、オートデコンプ付きのカムが装着されています。
初めて見ましたが構造をよく見ると、エンジン稼働中は働かず「エンジン停止時」にワンウェイベアリングと小さなカムによって動作するようです。
エンジン停止時に残った圧縮によって僅かに逆回転し、デコンプ用に設定された小さいカムにロッカーアームが乗り上げて排気バルブが完全に閉じきらない状態になります。
次回の始動のときには圧縮圧がモロにかからずに軽い力でセルモーター(キックペダル)が回せる…という仕組みかな。(そんなにいうほどセルは軽やかには回りませんが…)
カム周りも全て分解・点検しましたが異常などはなかったです。
内部の仕上げもとても綺麗で感心しました。
ただロッカーアームのスラスト方向に僅かにガタがあったので気休めで薄いシムを挟んで調整しときました。(これは不要かな?)
カムスプロケットですが、見慣れたホンダ純正に比べて明らかに大きい。
当然、歯数も多い。
左がホンダ純正の当時物スプロケット(シャリー用だったかな?)
同じ三つ穴だから使えるかなー?と思って引っぱり出してきましたが、残念ながら互換性は無いです。
製品としての仕上がりの差がご覧の通り歴然なので、ここは純正を使いたかったなあ…。
後で撮った写真ですがCDIの文字が入ったスプロケットカバーも当然のようにゴツくて大きいです。
刻印文字が C D I ですよーー!と主張しすぎててかなり気に入らない。
さっさと無地の地味なカバーに換えたいのですが…適当なパーツが入手できるまではこれのお世話になります。
ヘッドも外せました。
燃焼室は少し曇っていますね。切削したまんまって感じ。
ピカピカに磨いたほうがいいんだろうけど…ま、このままでいいかな。
バルブ径は計ってないけど結構大きめ?
ここまでバラすとバルブの擦り合せが可能になる。
せっかくだから施工開始。
キジマのタコ棒と付属の黒いペースト(コンパウンド?)で軽くではありますがコツコツスリスリしておきました。
事前にバルブ擦り合せされた形跡はなかったので、ここはやっておいたほうがいい箇所でしょうか。
バルブの付け外しをしたので念の為バルブステムシールも純正新品に交換しときます。
が、ラジオペンチで外す際に1個はきれいに外せたのですが、もう1個はなかなか外れずに悪戦苦闘してるうちにとうとうクニュって握り潰してしまいました(予備部品としてとっておこうと思ったのに 泣)
純正シールと中華シールですが外径・内径・色・見た目は全く同じです。
多分ここは純正ではなく社外品でも使えそう。
シリンダーも抜きたい。
左下にはオイルラインのカラーとOリング入り。
右下の楕円穴(オイルリターン)ってOリング入ってないけど、ここってなにもなかったっけ?
まあいいか。
カムチェーンガイドローラーのボルトがあっさりとなめちゃいました。
用心してたのに…ボルト頭、柔らかいねー。
一応、外れるには外れました。
市販のボルトは使えないのでとりあえずコレは再利用。
シリンダー、無事外れました。
ヘッドガスケットはメタル。ベースガスケットは紙製でしたがきれいに剥がれました。
ガスケットのサイズはいわゆる「中華用ワイドピッチ用」というやつらしい。
純正部品では適合しないので今は手元にガスケットの在庫はありません。
これも再利用します。
次はピストン。
この写真は外したそのままですがピストンリングの切り口がほぼ揃っています…。
これはオイル上がりの原因になるからアカンのやない?
確か3つの溝でリングの切り口は各120°ずつずらしておく。
で、オイルリングのレールリングが下で30°ずつずらしだったかな。
ピストンリングを折らないように慎重に外して点検します。
まず、ピカピカ仕上げのピストンは良いのですが、エッジに触れると手が切れるくらいに立っています。
油を付けながら目の細かいサンドペーパーでエッジを軽く慣らしておきます。
かなり鋭い。
優しく油とヤスリですりすりします。
加工前 です。
エッジをこの程度に丸めました(自己満足?)
加工後です。
スカート部分も軽くヤスリであたっておきました。
ピストンピンクリップですが、「の」の字クリップが付いてました。
のの字はつまんで外しやすいけどあまり好きじゃないので、純正の「C」型に交換。
あれ?
あとで気が付いたんですが、確か中華125のピストンピンの径は少し大きいはず。
(純正は13ミリ・リーファン用は14ミリ)
でもすんなりと純正のC型クリップが付いたなあ…。
果たして良かったんだろうか…?
(心配になって後でもう一回分解確認したけど大丈夫そうだった)
純正のクリップにチェンジ。
94601-14000✕2個 「13000」とか「14000」の部分のところがサイズを表しているのだと思います |
カブのサービスマニュアルしかないからそれを参考にしたけどトップとセカンドは同じで0.1mm~0.3mmでOK。0.5mm以上あったらダメ…と。
トップリングはOKかな。
セカンドリングは…うん?
これは、ちと狭いんじゃないかな?
隙間が少なすぎると熱くなった時に焼け付きの原因になるかもと思い、合口を少しダイヤのヤスリで他のと同じ程度に削った。
さすがに超硬かった。
ちなみに薄いオイルリング2本、こちらは広めでも良いらしく、0.20mm~0.9mmが正常範囲で1.1mm以上で交換…とある。
確かに広めなのでそのままで大丈夫みたい。
あとはオリフィスの穴とかも見る。
穴径は正確には分からないけど1.5mmの針金がスルッと入る。
1.6mmぐらいあるのかな?
カブは確か0.8mmぐらいだったからざっと2倍。
結構大きめだ。
色んな意見があるオリフィスだが、自分は「オリフィスは触らない派」なのでここはなにも加工しない。
コンロッドはちゃんと焼入れの色が見えてます。強そうで良い感じじゃない?
シリンダーが入る穴も綺麗な仕上げ。
スタッドボルトは全て黒色。
4本中、オイルライン用の1本だけ異質のツルツル表面にギザギザラインの仕上げがしてありました。
他の3本はなんていうか…マット調でした。
少しでもスムーズにオイルが流れるように気を使ってるのかな?
つづく…
#中華エンジン
#初期オーバーホール
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