2019/02/24

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 初期オーバーホール カブに搭載したので初回インプレッション

このシリーズの最初はこちらから

事前の点検が完了したリーファンエンジンをやっとカブに搭載!

7セグメントタイプの中華シフトインジケータをワンタッチカプラーで付けられるように加工していますが配線はせず、テストのためニュートラルランプが点くだけにしています。


今回行った作業内容は…

・レッグシールドを外す↓
・マフラーを外す↓
・オイル抜く↓
・ステップとシフトペダルを外す↓
・キャブのドレンを緩めてフロート室のガソリンを抜いておく↓  
・マニホールドごとキャブ外してヒモでフレームに吊るす↓
・キャブのジェット類を交換↓
・リヤハブ緩める↓
・フロントスプロケットからチェーンを外し、フロントスプロケット自体も外す↓
・純正エンジンのカプラー・セルの配線を外し、セルの配線は新エンジンに付け替える(新エンジンの配線が無駄に長いので元のを使った)↓
・フロアジャッキにウエスを敷いてエンジンマウントボルト2本を外し、純正エンジンを下ろす↓

 …休憩…(^_^)=3

・フロアジャッキにウエスを敷いてから新エンジン載せて持ち上げ、エンジンマウントボルト2本でしっかりと取り付け↓
・エンジンのカプラーとセルの配線の接続↓
・マニホールド&キャブレターを付ける↓
・チェンジペダルを先に取り付け、ステップも付ける↓
・社外マフラーを取り付けて位置調整↓
・フロントスプロケットを取り付けてチェーンをかける↓
・チェーンの張り具合の調整。リヤハブ締める↓
・エンジンオイルを注入↓
・キーオンでニュートラルランプ点灯確認。点灯した…OK!


フロントスプロケットは16T、リアスプロケットは36T。
レッグシールドは調整が終わるまで取り付けません。

キャブはエンジンと同じ出品者様から購入した、ホンダ純正のPBキャブにそっくりのPZ20という中華製を使用。

これは見た目や全体の大きさこそ純正とあまり変わらないが、スロットルバルブの径が純正のよりもかなり大きい。
アクセルワイヤーは90用そのままで使える。
引きしろを多少調整すれば全閉から全開までいけた。
左手元のチョークもワイヤーを接続すればそのまま使える。

ただ全高が純正より少し長くなるのでマニホールドを選ばないとスロットルワイヤー側がフレームに当たったり、キャブのおしりがタペットカバーに当たったりして取り付けが難しいかも。

わたしは背の低いタイカブ(100EX)用マニホールドを使ってる。
エンジンの吸気側ポートが約26mmと大きいのに対してマニホールドの内径が22mm程度で段差ができてるけど、ここはあんまり気にしない。(気にする方はリューターで削れば良い)
ほんとは内径の大きいやつに換えて口径を揃えるほうが良いのかもだけど、大きすぎるのも流速ダウンなどの弊害があるらしい。

中華キャブだけどケイヒンのジェット類でスローもメインも使える仕様。
キャブセッティングは初回なんでよく分からないけどメインジェットは#90、スロージェットは#40、ニードルクリップ位置は(クリップの固定位置は普通のキャブだとたぶん5段階ぐらいありますがこのキャブなぜか3段階分しかない)真ん中で開始。
これは想定より濃い目にしてあります。

エアクリーナはキタコのハイパーフィルター(ほぼ閉鎖式のパワフィル)に丸い内蔵インシュレーター付けて少し抵抗を増やした仕様。
プラグは最初はNGKの7番です。
途中で8番を付け替えながら試します。

~始動~

事前にやれる事はやったつもりなのでそんなに心配はしていませんでした。
が…
やはり一発目は緊張します。

オイルを巡らすために一旦プラグを抜いておいてキックキックでクランキング。
異音や引っかかりなくスムーズに回転するのを確認。

プラグを取り付ける。
コード接続。
イグニッション、オン。

コックを開いて燃料をキャブに満たし、チョークレバーをいっぱいに引いてアクセルオフで…

キック
キック

キック!!

・・・スポポン・・・ポポン・・プスッ・・・

初爆きました!

その後数回キック。

ポスポス…スポポポ…

アイドリングスクリューで止まらない程度に回転を上げてやると安定。
マフラーからはエンジン組立時に塗りたくったオイルが燃えて白煙が少し出ていますが、すぐに白煙は収まりました。

しばらく回し、一回止めて、今度はセルで始動。
キュイーン…ポポポ…♪

一発始動!
うーんいいね。セル音も静か!(^_^)

しばらくアイドリングしてたら…
あれ?なんか臭い!回転が乱れてきた!

…と思ったらチョークレバーを戻すのを忘れていました(笑)

メットをかぶってちょっと走ってみました。
ロー、セカンド、サード…

いいねいいね!

あっ、今度は4速目があるんだった。
かこん!

トップ!!

ちゃんと入りました(^_^)

一言でいうと、超なめらか♪
がさつさがなくって気持ちいい!
まるで新車みたいい!

こうなるともっと走りに行かざるをえません。
アイドル上げて、エアスクリューを少し調整して…アイドル合わせて…

近くの峠道へ行ってみよう!

おー!坂道めっちゃラク!
ぐいぐい登る。

1~4速のつながりもクラッチの具合もOKです。
停車時のみの4速からのニュートラルへも問題なしでちゃんと入ります。
走行時に前へ踏み込んでみましたが4速からニュートラルには飛び込みません。
あのストッパー、ちゃんと仕事しているようです。

チェンジペダルは少し硬めのフィーリングですが一番気になっていたミッションは一回のシフト抜けや異音もなく快適に動作しました。

すごいぜ中華! (^O^)

いや、最後に気が付いて純正に交換したあの”シフトストッパー”が効いているのかも?
あそこで手を抜いてたらギヤ飛びとかおこしていたかもしれません。

タコメーターを睨みながら4~5000回転しばりで走ってみましたが45~55キロぐらいは軽く出せるのでストレスは感じずに流せます。

不具合といえば走りには差し支えなかったのですがタペット音が少し出てきました。
とはいえ普通に走るので後日調整しましょう。
(軽い調整でタペット音は消えました)

キャブセッティングは全く出来てないのでアレですが…。
平坦地定速では調子良いがエンジンブレーキでマフラーからポン…ポン…と控えめながらアフターファイヤー。
あと、5000回転ぐらいで定速運転中にスロットル開けるととボコついてうまく回転上がらず。

試しにエアクリーナーを覆っているカバーを取ってむき出しフィルターにして数キロ走ってみましたがあまり芳しくない。

参考のためにプラグを見たら外周は真っ黒で電極周りは白っぽい。
プラグの焼け色はあまりあてにならないといいますが…。

さて、薄いのかな、濃いのかな?

追記:セッテイングほぼでました。最初よりも薄めでとっても快調に走っています。
使用キャブレター:中華製PZ19(PB16のコピー品)
・メイン #75
・スロー #40
・クリップ 真ん中
・プラグ C7HSA
・キタコハイパーエアフィルター、インシュレーター1枚入れ

#中華エンジン
#初期オーバーホール

2019/02/21

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 8 ジェネレーター周り純正部品と全て交換 カムチェーン点検 シフト周りの部品交換など

このシリーズの最初はこちら

汎用のプーリーホルダー、入手できました。

これでやっとフライホイールが外せます。
それではこの道具を使ってジェネレーター側を全てホンダの純正品に交換していきたいと思います。

事前に準備として(リトルカブの物らしいですが)運良くわりかしきれいめの純正ジェネレーターカバー・ジェネレーター本体・フライホイール・セルギヤ・セルチェーン・ボルトナット一式のセットが出品されてたので落札しておきました。


カバーだけなら割と安いんですがセットでないと換えられないんで仕方ないですね。
新品でこれだけ揃えたら相当高くつく部品が一式なのでありがたいと思います。


それではジェネレーターカバーを外して作業していきましょう。

フライホイールをプーリーホルダーでギュッと固定して長めのブレーカーバーでゆっくり回すとぬるりとナットは外れました。
あれだけインパクトドライバーでガスガス回してもビクともしなかったナットが一発で。
このプーリーホルダーがあると遠心クラッチも外したり締めたりできるので、整備作業には無駄にはならないです。


セル付き用フライホイールプーラーを使ってパコン!

フライホイールも取れたのでセルギヤも外れるようになりました。

ウッドラフキーはシャフトに食い込んでて取れませんが、もし取れてしまったら小さいので無くさないように気をつけて。

黒い樹脂製のセルチェーンのテンショナを外します。
なにか赤いマーキングしてあるプレートを外し、モーター軸上の小さなサークリップを外します。

大きい方のセルギヤはワンウェイクラッチ内蔵です。
引っ張るだけで外れますがバネとかローラーが飛び出すかもなので気をつけて外します。

上下を同時に引き抜くとチェーンと上下のスプロケットが取り出せます。


見た目はカブカスタムとほとんど同じ。
ただ、使っている部品の質感が明らかに違いますねえ。

青黒いチェーンはKMC製でした。
セルギヤもなんだか「なまくら」っぽいです。


せっかくここまで来たのだから(今回は特に必要ない作業ですが)セルギヤ裏の丸いカバー(オイルセパレートプレート)も外して中を見てみましょう。

ネットで見かける記事ではこのプラスの皿ビスも鬼門ですよね。
ショックドライバー使っても外れなくてネジを潰してしまった記事をたくさん見ますからドキドキ…。

しかし叩いて使うショックドライバーの類は持っていません…(^_^;)
普通のドライバーで回してみましたがどうも緩みそうにないので電動インパクトドライバーに賭けてみます。

最初に太さの合ったドライバービットをコンコンとネジ頭に打ち込んでおいてインパクトをかけます。
慎重にやりましたが心配したほどのトルクでは締め付けてなく、ガガッぐらいで外れましたw


ここもホンダとほぼ同じように見えますが下のオイルポンプ用スプロケットのある位置のゴムのローラーには歯はありません。
普通なら向こう側に貫通しているオイルスピンドルシャフトもありません。
ただの六角ボルトで固定してるだけでフリー回転の「歯無しローラー」になっています。

この辺りのパーツは純正のカブエンジンには入っていない物なので、すり減ったときの入手性の難がありそう(何か他エンジンのパーツが流用できるかもだけど今のところ不明)で心配です。

追記:後日アリエクスプレスで見た目が似たような「歯無し」を含むガイドローラー3枚セットを見つけたので試しに入手してみましたがどれも適合しませんでした…消耗品ですがここの交換パーツが見つかりません(泣)

107mmのオイルセパレートプレート用の大きいOリング・皿ビス用の6mmの小さいOリング、クランクシャフトのオイルシール30✕42✕4.5mmなどは交換用の部品手配が間に合わなかったので不本意ながら現状そのまま再使用です。


中華エンジンで「割れる前に換えとけ!」っておまじないのように言われる油圧テンションロッド頭のゴム製品。
わたしもおまじないで純正部品に換えてあります。

この部品は出品者様が気を利かせて付属してくれてたので、「とりあえず」交換してますが、正直言うと元のゴムの品質もそんなに悪そうじゃなかったです。
でも中華製は最初はいいけど気付いたら劣化して砕け散ってるそうです…怖い。

余談ですがゴムに当たるところの金属って平べったいほうが良いと思うんだけど、なんであんなにグッと突き刺さるような設計なんだろう?
抵抗を減らすのが目的?

後で知ったのですが、この辺が気になる人はキタコやタケガワから社外品で当たり面が平べったくなってたりテンショナースプロケットにベアリングを仕込んだりしてる特殊な「強化アーム」なる物も市販されています。

が…結構お値段が張りますね。

カムチェーンの音が気になりだしたら頑張って購入して交換してみるのも良いかもしれません。


せっかくなので落札したジェネレーターのセットに付いてたホンダ部品を移植しときます。
セルギヤとセルチェーン。
サイズも完璧にぴったりです(^o^)

少々使用感はありますがホンダのギヤはなんだか強そうです。
中華新品よりホンダ中古を信用してみます(笑)


チェーンはDIDのゴールドです。
どうせ見えなくなりますけど気分は良いです。
こうなってくるとモータースプロケットと2個の黒いテンショナーが心配に(笑)


気にしだすとキリがないですので止めときましょう…(^_^;)

ほぼ出来ましたのでフタを閉めたいと思います。
ボルトはトルクレンチで1kg程度で締めました。
トルク管理は正確に…。


フライホイールも交換ですが、出品者様の言う通りホンダのほうが薄いですね。

ちょっと縁に錆がありましたが概ねきれいなフライホイール。
リーファンのフライホイールよりバランスが良ければいいんですけどどうでしょうね?

画像は準備中のシフトインジケータのパーツなんかが散らかってて少し見にくいですが…


リトル用の6Pカプラーとカブ90のカプラーは形状が違うので90用に4Pカプラーに作り変えときます。
ピンクの線なんかが余分に2本ほどありましたが不要なので抜いておきました。

発電量とか大丈夫かな?という心配はありますが、運転してみないとなんとも言えません。

ホンダロゴの入った見慣れた外観になりました。

やっぱりこっちのほうがカッコいいです。


あとね…点検途中で気になっていたパーツがありました。
ギアシフトストッパーとかいうヤツです。
ヒトデ板に当たって押さえるパーツ。

リング状の所が妙にガタがある上に回転もゴリゴリと渋かったのですが。
比べる部品が無いし回転部分はベアリングでも無いので「これが普通かな?」って思って一旦はそのまま装着し、ケースは閉じていました。

でも悶々とします…あのゴリゴリ感…(-_-)
考えた末、後悔しないように純正部品を発注!580円なり。

在庫切れでしたので少々遅れて到着。


思った通り純正は動きに渋さが全くありません。
めっちゃスムース。
届いた部品に比べるとよく分かりますがリーファンのはひどいです(^_^;)
わー、ヤバかった…!

上が純正、下がリーファンのですがこちらから見る分にはそんなに違いませんね。
純正のほうがリングが薄い程度?


しかし反対側。


かしめ方が全然違います。
リーファンのは見るからに弱そう。


リーファンのは少し曲げてクリアランス調整していました。
純正はそのまま付けても円形のプレートとのクリアランス調整もすることなく、わずかに浮いた状態で収まりました。

要チェックですねここは。
多分シフトチェンジの感触に差が出るでしょう。
それぐらいにガタがありましたから。

追記:2022年5月16日

この作業のおかげか本日までほぼ毎日欠かさず乗ってますが、一回もギヤ抜けなどの症状には遭遇していません

未だにシフトはカッチリ決まってて不満が全くないのは結構すごい事です。


変なところに落とし穴がありましたが、今回で一応搭載前の点検は終了とします。
シフト周りの動きと各ボルトの締め付けトルクの管理には特に注意しました。

工具と時間ががあれば割と誰でもできる作業だと思いますので、中華エンジンをお試しの際にはぜひ勉強も兼ね、できるとこまでバラしてみるのも楽しいです。

たぶん耐久性もアップしますよ(^_^)


かかった費用はジェネレーター代が効いて最終的には約50000円超えのエンジンになりました(汗)
あとは搭載する時間を作るだけ。

早く載せたいなあ…

#中華エンジン
#初期オーバーホール

2019/02/20

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 7 オイルシールとかベアリングも点検

このシリーズの最初はこちら

さて、開けたクランクケースの内側なんですが、少し仕上げが荒いとも感じますが覚悟(期待?)していたようなひどいバリはないので手を入れなくても大丈夫そう。



良かった(^_^)

次にオイルシール類の換装。

タケガワの「純正対応横型エンジンオイルシール3個セット」が手元にあったので換えられるところはこの際に換えときたい。
キック・シフト・カウンターシャフトの3個組。

キックスピンドルのシールとシフトのシールはホンダ横型エンジンと互換性があり交換できました。


元は青っぽいシール。
タケガワのは黒いシール。
なんかメーカーが同じROK?って書いてるんですが…同じ品質なのかも?
ROKって、どこ製なのか?

が…
あれ…?

カウンターシャフト(ドライブスプロケットが付くところ)出口のシール。
エンジン側のが標準のオイルシールよりも大きい…


左がタケガワのセット物のシール。
普通のカブのエンジンなら合うはず。

同じ径だとばかり思ってましたが、ここは太い。
てことはフロントスプロケットも普通のキタコ製とかのは使えないんだ。
16Tが付いてるから17Tにしようと思って準備したのに…(T_T)

仕方ないのでここはそのままにしときます。
すっかり互換性があるものとばかり思い込んでいたのが敗因です。

後で調べてみましたがリーファン用として販売中の太いカウンター用オイルシールが存在します。
そして”リーファン用のオイルシール”として買うとなぜか高いのです。
アマゾンでメーカー不明品が740円ぐらい売っています…。

ベアリングなどを仕入れてるミスミさんとこに実際計ったサイズを入力してみたら(適正な価格で)スプリング入りダブルリップの同等品(NOK製)があったので予備として購入しました。

実測値:内径20ミリ 外径34ミリ
型番もシェアしときます。
AE1003A2という型でピッタリ合いました。
※これだけではヒットしませんでしたので直リンクも貼っておきます。

リーファン太軸用オイルシール
2019年10月現在の値段は341円(送料込み)


ベアリングなども点検しましょう。
ケースにはまっているベアリングは指で回すとスムースに動きます。

ひどい中華エンジンになるとベアリングのアウターが共回りするそうで、そうなると回り止めとしてケース側でカシメたりの対策が要るそうです。

実は国産NTNのケース内用ベアリング一式も入手しておいたんですがアウターもぐらつきなくきっちり入ってるし、このままでも当面大丈夫そうだと判断して交換しませんでした。

ここまで開けたらもったいなくても交換したほうが良かったのでしょうか…?
後でこの判断が凶と出ませんように…(^_^;)


あとはクランクシャフトを引き抜けば完璧だったんですが、プーリーホルダー入手が間に合わずフライホイールが外せなかったのでここまでです。

目視で点検する限りクランク周りにも異常は無さそうです。

どうせクランク抜いても芯出しとかまで出来る技量や道具はないし。
芯が出てると信じてスルーしておきます。


つづく…

#中華エンジン
#初期オーバーホール

2019/02/19

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 6 ミッション分離~シフトドラム周り


(↑画像はミッション摘出後)
このシリーズの最初はこちらから

さて、真ん中を割ると最後にはこんなに細くなりました(笑)
つぎはミッションを取り出してみます。

普通のカブと同じように停止時だけしかニュートラルに入らないようになっている安全装置(シフトストッパー)がこのミッションには付いていると言うのがひとつのウリ。
いわゆる「ニューロータリー式」までコピーしています。
その証がミッション左下の細長いやつ、「ストッパープレート」です。

ちなみにこのプレートを外すと走行時にも自由にニュートラルに入るように改造?できます。
外すメリットとしては信号の手前で減速中に動きながらニュートラル入れられるので楽なのです。
(まあカブは1速で信号待ちするのが通常ですけど)

少し悩んだのですがやはり安全性を取りました。
他の人に貸したりして乗った時にこれを知らずに5速(ニュートラル)そのまま6速(1速)に叩き込まれたらエンジンオシャカ or 転倒間違いなしですから。

今回はこのままプレートは付けておきます。


また画像はありませんがシフトドラムの裏に付いている丸い樹脂カバー(シフトポジションのコンタクトスイッチ)を外すと六角キャップボルトでポジションスイッチ板が留めてあります。
スイッチ板は華奢なので注意しながらこれらも外しておきます。

外す際にカウンターシャフトはオイルシールを通って抜けてきますのでカウンターシャフトの先にマスキングテープ巻いて養生しておきます。
ネジ山ではないので大丈夫かもですが、一応用心のため…。

そしてメインシャフト+カウンターシャフト+シフトドラムを握り込むようにして真上に引き抜き、かたまり状態で外します。

鉄の塊なのでけっこう重いです。
オイルで滑って落とさないように。
ワッシャーなどが残る場合があるので忘れないように取り出し、気をつけてシャフトの元の位置に戻しておきます。

各ギヤはキレイな物でした。
わたしが見る程度では良否なんかあまり分かりませんが、変な傷や欠けなんかはありませんでした。

ギヤよりも気になるのがシフトドラムなのでここを中心に見ていきます。
シフトフォークの固定を解きますのでがっつり曲がったピンクリップをラジペンで真っ直ぐにしてから抜き取ります。


ピンクリップを抜いたあと、レールを滑る太めのピンを抜きますが…
オイルで密着してるのでドラムにはまっているピンが取れません(^_^;)

こういう時は100均磁石をドライバーにくっつけて。

ぺたり


抜けました^^


バリがありますので気になる箇所は削っておきましょう。


幸い2本のレールの角は気になるような歪みもなくキレイでした。

中華のドラムはここが歪んでいる事が多いそう。

僅かな歪みでもそのままだと引っかかりの原因になるらしいので念入りに点検。

レール溝は思ったより仕上げが良かった

シフトアームの中。
こんなとこにもクロスハッチ加工してる。


これでだいたいOKみたいです(自己満足)
 

つづく…

#中華エンジン
#初期オーバーホール

2019/02/18

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 5 シフトドラム~キックスピンドル周り

このシリーズの最初はこちら
 

お次はついに真ん中を割る!
 

このへんの写真、オイルで手がベタベタだったので残念ながらあまり残っていませんので、文章中心で(^_^;)

まずはシフトストッパー周り。
左下の六角ボルトを外してストッパーアームを外す。


シフトドラム真ん中のボルトを外して(ドラムとボルトが共回りするけどゆっくり緩めていくと途中で引っかかってボルトを回せる)ヒトデ板と円形の薄いプレートを取ると細かいシフトピンが5本+固定用ピン2本が出てきます(紛失に注意)。

5本のピンはなぜか1個だけ短いのがありますが、間違っても組んでも高さが違うので気が付きます。

ヒトデ板は表裏さえ間違えなければ(表が凹んでいた)穴は合うところが一箇所しかありませんのでこれも間違わないでしょう。
わたしはバラす前に「ニュートラル位置が分からんとヤバいかな?」と思い、ヒトデ板にNとかマジックで書いてますがこれは必要なかったです。
あとでメインシャフトをくるくるしながらシフトドラムを廻すとニュートラルは出ますので。

次、【「】を逆にしたような型のシフトアームを外します。
これで引っ掛けてシフトチェンジを行うプレートです。
中華製はこれがケースに引きずって抵抗になる事案があるそうなので、もしケースとの隙間が少なければ少ーしだけ曲げて浮かしてあげた方が良いでしょうという事らしいです。
なお曲げ過ぎも丸いプレートに当たってしまうのでNGなので微妙です。
今回はそんなに引きずってるような様子はなかったのですが念のためにじわりと少しだけ曲げておきました。

差し込んであるだけなので引き抜けばスポッと抜けますが反対側がローレット加工になっている事に注意です。

そのまま抜くとローレットのギザギザがオイルシールのリップ部を縦方向に傷つけてオイル漏れの原因になりかねません。
組み上がった後で漏れに気付いたら最悪シールを交換する羽目になります。

なのでローレット軸部分に薄手のマスキングテープなどで養生してから(さらにテープ表面に油塗ったほうがとり良いかも)ゆっくりと抜きます。
オイルシールのある場所にローレット軸がある時は全てこの方法で抜いています。

ただ、マスキングテープがきっちりうまく巻けていないとちぎれカスが残りますのでそこはご用心。


ケースにもリーファンのロゴが入っていました。


・・・

次はキックスピンドル。

キックスピンドルに付いてるサークリップを外す。


ストッパー(分厚い板)をちょっと絞りながらゆっくり真っ直ぐ引き上げると抜けます。

(慎重にやる必要はあるけど)見た目のスプリングのゴツさほどきつくはなかったのでそんなにビビらなくていいと思います。
「ガチャッ」と外れるけどちゃんと元に戻せるぐらいのテンションでした。


これでゴツいスプリングとストッパー板が一緒に取れます。
ローレット上部に小さくポンチマークが打ってあるのを覚えておいてください。
なんのためのマークなのか分かってないとエライ目に合います。


このポンチマークはキックスピンドルにも同様に入っていて、組み込む際に両者を合わせておく必要があります。
この合わせを無視して組み込むと回転時にカリカリと異音の原因になってケースを再び開けないといけない結果になります。

軸にもポンチマーク↓


組む時にこのポンチマークが合うようにして押し込んでからストッパーをケース所定の位置に引っ掛けておいてスプリングをラジオペンチなどで引っ張りつつ固定します。



固定したあとはメインシャフトを手で回して異音がしないのを確認。
カリカリとなったら要位置調整。

まず反時計回りにゆっくりキックスピンドルを回すとコツンと止まります。
ここが台座金具の位置です。
カリカリ異音がしたらキックスピンドルの位置が悪いのでスピンドルを時計回り方向に回して調整します。
ゆっくり回していくとキックスピンドルが重くなる位置あたりで同時にメインシャフトが軽く回る位置があるのでその辺りで止めておきます。

行き過ぎるとまた底の歯車が台座金具から落ちて噛み合ってしまいメインシャフト回すとカリカリなります。
キックスピンドルの底にあるラチェット(噛み合っているギザギザの歯車)が音の原因。
ケースに乗り上げる金具付いていてが普段は乗り上げた状態で切り離され、キックしたときだけ噛み合う必要があるようです。

常識なのかも知れませんが最初はこれが分からず苦労しましたので覚え書き(T_T)

・・・

次にエンジンを裏返してボルトを外していきます。

外したボルトはそれぞれ長さが違うので組み付ける時用に段ボールにケースの絵を描いてブッ刺しておきました。


ボルト全て外したのですがうまく割れません…
5mmぐらいは浮くのですが、なんか引っかかっているようで…


プラハンで叩いて引っ張ってもこれ以上開きません。
でもここでドライバーとかで隙間をこじっちゃ駄目です。


う~ん…もうちょっと…開くはず…

…スポッ!!

真上に真っ直ぐ引き上げたらスポッと外れました!
どうやらクランクシャフトのベアリングがキッチリ入ってるので遊びがなかったせいだったようです。

内部はバリや汚れなども無く非常にきれいな仕上げで驚きました。
バリ取り頑張らなきゃ!って気負ってたんですけどね(笑)

ガスケットはどちらか片側のケースに寄せるように丁寧に剥がしたらきれいに剥がれました。
再利用できそうです。

なお純正ガスケットとはオイルポンプ付近のカットが違うだけで、内側をハサミでちょっと切ってやれば純正部品が使えるようです。^^

ノックピンが2つあるので、なくさないように注意。


開腹完了。やーっとミッションが見えました!


つづく

#中華エンジン
#初期オーバーホール



2019/02/17

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 4 ジェネレーター~ヘッド・ピストン周り

このシリーズの最初はこちら

次はフライホイール(ジェネレーター)のカバーを外してみます。



徐々にボルトを緩めて抜き取ります。

フライホイールですが、

「純正の物より厚みがあるので普通のカブエンジンとの互換性は無いです」

と出品者様から事前に聞いていました。


なので(現在実際に組み合わせて確認してはいませんが)ジェネレーターカバーやカバー側にくっ付いているコイル・フライホイールも含めて出品者様のおっしゃるとおり純正カブエンジンとの互換性は無いのではと思います。

リーファン印が嫌でホンダマーク入りの純正に交換したい時はジェネレーターカバー&フライホイール&コイルなどの一式をごっそりと入れ換えなくてはならないようなので意外と大変そうです(金額面が)。 

このまま使っても機能的には問題なさそうですけど。


残念ながらフライホイール中心部が少し錆びていました。
(でもエンジン全体で錆があったのはここだけでした) 

動作には問題ないようです。


このセンターの大きいナットがとても固く、電動インパクトレンチでガリガリやってみたんだけど、残念ながら外れませんでした。
後で外し方を探ることにして次に移ります。

ヘッド周りの分解。


スタッドボルトネジ頭サイズや袋ナットは【M7】でした。

やはりここは50ccや90ccのような純正スタッドボルト(M6)のサイズではなくタイカブ並みの大きさのようです。
これならトルクレンチでMAX1.8キロぐらいまでなら閉められそうです。

カムは出品時の説明にはなかったのですが、オートデコンプ付きのカムが装着されています。
初めて見ましたが構造をよく見ると、エンジン稼働中は働かず「エンジン停止時」にワンウェイベアリングと小さなカムによって動作するようです。
 

エンジン停止時に残った圧縮によって僅かに逆回転し、デコンプ用に設定された小さいカムにロッカーアームが乗り上げて排気バルブが完全に閉じきらない状態になります。
次回の始動のときには圧縮圧がモロにかからずに軽い力でセルモーター(キックペダル)が回せる…という仕組みかな。(そんなにいうほどセルは軽やかには回りませんが…)


カム周りも全て分解・点検しましたが異常などはなかったです。
内部の仕上げもとても綺麗で感心しました。

ただロッカーアームのスラスト方向に僅かにガタがあったので気休めで薄いシムを挟んで調整しときました。(これは不要かな?)


カムスプロケットですが、見慣れたホンダ純正に比べて明らかに大きい。
当然、歯数も多い。

左がホンダ純正の当時物スプロケット(シャリー用だったかな?)
同じ三つ穴だから使えるかなー?と思って引っぱり出してきましたが、残念ながら互換性は無いです。

製品としての仕上がりの差がご覧の通り歴然なので、ここは純正を使いたかったなあ…。


後で撮った写真ですがCDIの文字が入ったスプロケットカバーも当然のようにゴツくて大きいです。

刻印文字が C D I ですよーー!と主張しすぎててかなり気に入らない。
さっさと無地の地味なカバーに換えたいのですが…適当なパーツが入手できるまではこれのお世話になります。


ヘッドも外せました。
燃焼室は少し曇っていますね。切削したまんまって感じ。
ピカピカに磨いたほうがいいんだろうけど…ま、このままでいいかな。

バルブ径は計ってないけど結構大きめ?


ここまでバラすとバルブの擦り合せが可能になる。
せっかくだから施工開始。

キジマのタコ棒と付属の黒いペースト(コンパウンド?)で軽くではありますがコツコツスリスリしておきました。
事前にバルブ擦り合せされた形跡はなかったので、ここはやっておいたほうがいい箇所でしょうか。

バルブの付け外しをしたので念の為バルブステムシールも純正新品に交換しときます。

が、ラジオペンチで外す際に1個はきれいに外せたのですが、もう1個はなかなか外れずに悪戦苦闘してるうちにとうとうクニュって握り潰してしまいました(予備部品としてとっておこうと思ったのに 泣)


純正シールと中華シールですが外径・内径・色・見た目は全く同じです。
多分ここは純正ではなく社外品でも使えそう。



シリンダーも抜きたい。

左下にはオイルラインのカラーとOリング入り。
右下の楕円穴(オイルリターン)ってOリング入ってないけど、ここってなにもなかったっけ?
まあいいか。


カムチェーンガイドローラーのボルトがあっさりとなめちゃいました。
用心してたのに…ボルト頭、柔らかいねー。

一応、外れるには外れました。




市販のボルトは使えないのでとりあえずコレは再利用。

シリンダー、無事外れました。

ヘッドガスケットはメタル。ベースガスケットは紙製でしたがきれいに剥がれました。
ガスケットのサイズはいわゆる「中華用ワイドピッチ用」というやつらしい。
純正部品では適合しないので今は手元にガスケットの在庫はありません。
これも再利用します。


次はピストン。

出てきたピストンを見てびっくり。
この写真は外したそのままですがピストンリングの切り口がほぼ揃っています…。

これはオイル上がりの原因になるからアカンのやない?
確か3つの溝でリングの切り口は各120°ずつずらしておく。
で、オイルリングのレールリングが下で30°ずつずらしだったかな。


ピストンリングを折らないように慎重に外して点検します。


まず、ピカピカ仕上げのピストンは良いのですが、エッジに触れると手が切れるくらいに立っています。
油を付けながら目の細かいサンドペーパーでエッジを軽く慣らしておきます。


かなり鋭い。
優しく油とヤスリですりすりします。

加工前 です。


エッジをこの程度に丸めました(自己満足?)

加工後です。


スカート部分も軽くヤスリであたっておきました。


ピストンピンクリップですが、「の」の字クリップが付いてました。
のの字はつまんで外しやすいけどあまり好きじゃないので、純正の「C」型に交換。

あれ?
あとで気が付いたんですが、確か中華125のピストンピンの径は少し大きいはず。
(純正は13ミリ・リーファン用は14ミリ)

でもすんなりと純正のC型クリップが付いたなあ…。
果たして良かったんだろうか…?
(心配になって後でもう一回分解確認したけど大丈夫そうだった)


純正のクリップにチェンジ。
品番は94601-13000。2個使用 。

※2023年1月、追記
多分上記のクリップの品番は間違いです。
正しい部品番号は「94601-14000」のピストンピン14ミリサイズ用✕2個だと思います。
ただ、エンジンはその後もこのピンのまま分解せずに良好な状態で稼働中ですのでピンが外れてしまうなどの事態は起こっていません。
しかしこのままでは気持ちが悪いので近々変えようとは考えています。

「のの字クリップ」よりも細いけど、かっちり収まってます。

画像の部品番号は間違い 「94601-14000」が正解のはず

※追記
↓こちらが正しいピンクリップの画像…次回分解時に交換するつもりで純正品を買い足しておきました。
ちなみに一個33円でした。

94601-14000✕2個
「13000」とか「14000」の部分のところがサイズを表しているのだと思います


ついでにピストンリングの合口隙間も確認。

カブのサービスマニュアルしかないからそれを参考にしたけどトップとセカンドは同じで0.1mm~0.3mmでOK。0.5mm以上あったらダメ…と。

トップリングはOKかな。


セカンドリングは…うん?
これは、ちと狭いんじゃないかな?


隙間が少なすぎると熱くなった時に焼け付きの原因になるかもと思い、合口を少しダイヤのヤスリで他のと同じ程度に削った。
さすがに超硬かった。

ちなみに薄いオイルリング2本、こちらは広めでも良いらしく、0.20mm~0.9mmが正常範囲で1.1mm以上で交換…とある。

確かに広めなのでそのままで大丈夫みたい。



あとはオリフィスの穴とかも見る。
穴径は正確には分からないけど1.5mmの針金がスルッと入る。
1.6mmぐらいあるのかな?

カブは確か0.8mmぐらいだったからざっと2倍。
結構大きめだ。
色んな意見があるオリフィスだが、自分は「オリフィスは触らない派」なのでここはなにも加工しない。


コンロッドはちゃんと焼入れの色が見えてます。強そうで良い感じじゃない?
シリンダーが入る穴も綺麗な仕上げ。


スタッドボルトは全て黒色。
4本中、オイルライン用の1本だけ異質のツルツル表面にギザギザラインの仕上げがしてありました。

他の3本はなんていうか…マット調でした。
少しでもスムーズにオイルが流れるように気を使ってるのかな? 


つづく…

#中華エンジン
#初期オーバーホール