2019/02/19

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 6 ミッション分離~シフトドラム周り


(↑画像はミッション摘出後)
このシリーズの最初はこちらから

さて、真ん中を割ると最後にはこんなに細くなりました(笑)
つぎはミッションを取り出してみます。

普通のカブと同じように停止時だけしかニュートラルに入らないようになっている安全装置(シフトストッパー)がこのミッションには付いていると言うのがひとつのウリ。
いわゆる「ニューロータリー式」までコピーしています。
その証がミッション左下の細長いやつ、「ストッパープレート」です。

ちなみにこのプレートを外すと走行時にも自由にニュートラルに入るように改造?できます。
外すメリットとしては信号の手前で減速中に動きながらニュートラル入れられるので楽なのです。
(まあカブは1速で信号待ちするのが通常ですけど)

少し悩んだのですがやはり安全性を取りました。
他の人に貸したりして乗った時にこれを知らずに5速(ニュートラル)そのまま6速(1速)に叩き込まれたらエンジンオシャカ or 転倒間違いなしですから。

今回はこのままプレートは付けておきます。


また画像はありませんがシフトドラムの裏に付いている丸い樹脂カバー(シフトポジションのコンタクトスイッチ)を外すと六角キャップボルトでポジションスイッチ板が留めてあります。
スイッチ板は華奢なので注意しながらこれらも外しておきます。

外す際にカウンターシャフトはオイルシールを通って抜けてきますのでカウンターシャフトの先にマスキングテープ巻いて養生しておきます。
ネジ山ではないので大丈夫かもですが、一応用心のため…。

そしてメインシャフト+カウンターシャフト+シフトドラムを握り込むようにして真上に引き抜き、かたまり状態で外します。

鉄の塊なのでけっこう重いです。
オイルで滑って落とさないように。
ワッシャーなどが残る場合があるので忘れないように取り出し、気をつけてシャフトの元の位置に戻しておきます。

各ギヤはキレイな物でした。
わたしが見る程度では良否なんかあまり分かりませんが、変な傷や欠けなんかはありませんでした。

ギヤよりも気になるのがシフトドラムなのでここを中心に見ていきます。
シフトフォークの固定を解きますのでがっつり曲がったピンクリップをラジペンで真っ直ぐにしてから抜き取ります。


ピンクリップを抜いたあと、レールを滑る太めのピンを抜きますが…
オイルで密着してるのでドラムにはまっているピンが取れません(^_^;)

こういう時は100均磁石をドライバーにくっつけて。

ぺたり


抜けました^^


バリがありますので気になる箇所は削っておきましょう。


幸い2本のレールの角は気になるような歪みもなくキレイでした。

中華のドラムはここが歪んでいる事が多いそう。

僅かな歪みでもそのままだと引っかかりの原因になるらしいので念入りに点検。

レール溝は思ったより仕上げが良かった

シフトアームの中。
こんなとこにもクロスハッチ加工してる。


これでだいたいOKみたいです(自己満足)
 

つづく…

#中華エンジン
#初期オーバーホール

2019/02/18

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 5 シフトドラム~キックスピンドル周り

このシリーズの最初はこちら
 

お次はついに真ん中を割る!
 

このへんの写真、オイルで手がベタベタだったので残念ながらあまり残っていませんので、文章中心で(^_^;)

まずはシフトストッパー周り。
左下の六角ボルトを外してストッパーアームを外す。


シフトドラム真ん中のボルトを外して(ドラムとボルトが共回りするけどゆっくり緩めていくと途中で引っかかってボルトを回せる)ヒトデ板と円形の薄いプレートを取ると細かいシフトピンが5本+固定用ピン2本が出てきます(紛失に注意)。

5本のピンはなぜか1個だけ短いのがありますが、間違っても組んでも高さが違うので気が付きます。

ヒトデ板は表裏さえ間違えなければ(表が凹んでいた)穴は合うところが一箇所しかありませんのでこれも間違わないでしょう。
わたしはバラす前に「ニュートラル位置が分からんとヤバいかな?」と思い、ヒトデ板にNとかマジックで書いてますがこれは必要なかったです。
あとでメインシャフトをくるくるしながらシフトドラムを廻すとニュートラルは出ますので。

次、【「】を逆にしたような型のシフトアームを外します。
これで引っ掛けてシフトチェンジを行うプレートです。
中華製はこれがケースに引きずって抵抗になる事案があるそうなので、もしケースとの隙間が少なければ少ーしだけ曲げて浮かしてあげた方が良いでしょうという事らしいです。
なお曲げ過ぎも丸いプレートに当たってしまうのでNGなので微妙です。
今回はそんなに引きずってるような様子はなかったのですが念のためにじわりと少しだけ曲げておきました。

差し込んであるだけなので引き抜けばスポッと抜けますが反対側がローレット加工になっている事に注意です。

そのまま抜くとローレットのギザギザがオイルシールのリップ部を縦方向に傷つけてオイル漏れの原因になりかねません。
組み上がった後で漏れに気付いたら最悪シールを交換する羽目になります。

なのでローレット軸部分に薄手のマスキングテープなどで養生してから(さらにテープ表面に油塗ったほうがとり良いかも)ゆっくりと抜きます。
オイルシールのある場所にローレット軸がある時は全てこの方法で抜いています。

ただ、マスキングテープがきっちりうまく巻けていないとちぎれカスが残りますのでそこはご用心。


ケースにもリーファンのロゴが入っていました。


・・・

次はキックスピンドル。

キックスピンドルに付いてるサークリップを外す。


ストッパー(分厚い板)をちょっと絞りながらゆっくり真っ直ぐ引き上げると抜けます。

(慎重にやる必要はあるけど)見た目のスプリングのゴツさほどきつくはなかったのでそんなにビビらなくていいと思います。
「ガチャッ」と外れるけどちゃんと元に戻せるぐらいのテンションでした。


これでゴツいスプリングとストッパー板が一緒に取れます。
ローレット上部に小さくポンチマークが打ってあるのを覚えておいてください。
なんのためのマークなのか分かってないとエライ目に合います。


このポンチマークはキックスピンドルにも同様に入っていて、組み込む際に両者を合わせておく必要があります。
この合わせを無視して組み込むと回転時にカリカリと異音の原因になってケースを再び開けないといけない結果になります。

軸にもポンチマーク↓


組む時にこのポンチマークが合うようにして押し込んでからストッパーをケース所定の位置に引っ掛けておいてスプリングをラジオペンチなどで引っ張りつつ固定します。



固定したあとはメインシャフトを手で回して異音がしないのを確認。
カリカリとなったら要位置調整。

まず反時計回りにゆっくりキックスピンドルを回すとコツンと止まります。
ここが台座金具の位置です。
カリカリ異音がしたらキックスピンドルの位置が悪いのでスピンドルを時計回り方向に回して調整します。
ゆっくり回していくとキックスピンドルが重くなる位置あたりで同時にメインシャフトが軽く回る位置があるのでその辺りで止めておきます。

行き過ぎるとまた底の歯車が台座金具から落ちて噛み合ってしまいメインシャフト回すとカリカリなります。
キックスピンドルの底にあるラチェット(噛み合っているギザギザの歯車)が音の原因。
ケースに乗り上げる金具付いていてが普段は乗り上げた状態で切り離され、キックしたときだけ噛み合う必要があるようです。

常識なのかも知れませんが最初はこれが分からず苦労しましたので覚え書き(T_T)

・・・

次にエンジンを裏返してボルトを外していきます。

外したボルトはそれぞれ長さが違うので組み付ける時用に段ボールにケースの絵を描いてブッ刺しておきました。


ボルト全て外したのですがうまく割れません…
5mmぐらいは浮くのですが、なんか引っかかっているようで…


プラハンで叩いて引っ張ってもこれ以上開きません。
でもここでドライバーとかで隙間をこじっちゃ駄目です。


う~ん…もうちょっと…開くはず…

…スポッ!!

真上に真っ直ぐ引き上げたらスポッと外れました!
どうやらクランクシャフトのベアリングがキッチリ入ってるので遊びがなかったせいだったようです。

内部はバリや汚れなども無く非常にきれいな仕上げで驚きました。
バリ取り頑張らなきゃ!って気負ってたんですけどね(笑)

ガスケットはどちらか片側のケースに寄せるように丁寧に剥がしたらきれいに剥がれました。
再利用できそうです。

なお純正ガスケットとはオイルポンプ付近のカットが違うだけで、内側をハサミでちょっと切ってやれば純正部品が使えるようです。^^

ノックピンが2つあるので、なくさないように注意。


開腹完了。やーっとミッションが見えました!


つづく

#中華エンジン
#初期オーバーホール



2019/02/17

スーパーカブ リーファン125 中華エンジン 1P52FMI-C 初期オーバーホール 4 ジェネレーター~ヘッド・ピストン周り

このシリーズの最初はこちら

次はフライホイール(ジェネレーター)のカバーを外してみます。



徐々にボルトを緩めて抜き取ります。

フライホイールですが、

「純正の物より厚みがあるので普通のカブエンジンとの互換性は無いです」

と出品者様から事前に聞いていました。


なので(現在実際に組み合わせて確認してはいませんが)ジェネレーターカバーやカバー側にくっ付いているコイル・フライホイールも含めて出品者様のおっしゃるとおり純正カブエンジンとの互換性は無いのではと思います。

リーファン印が嫌でホンダマーク入りの純正に交換したい時はジェネレーターカバー&フライホイール&コイルなどの一式をごっそりと入れ換えなくてはならないようなので意外と大変そうです(金額面が)。 

このまま使っても機能的には問題なさそうですけど。


残念ながらフライホイール中心部が少し錆びていました。
(でもエンジン全体で錆があったのはここだけでした) 

動作には問題ないようです。


このセンターの大きいナットがとても固く、電動インパクトレンチでガリガリやってみたんだけど、残念ながら外れませんでした。
後で外し方を探ることにして次に移ります。

ヘッド周りの分解。


スタッドボルトネジ頭サイズや袋ナットは【M7】でした。

やはりここは50ccや90ccのような純正スタッドボルト(M6)のサイズではなくタイカブ並みの大きさのようです。
これならトルクレンチでMAX1.8キロぐらいまでなら閉められそうです。

カムは出品時の説明にはなかったのですが、オートデコンプ付きのカムが装着されています。
初めて見ましたが構造をよく見ると、エンジン稼働中は働かず「エンジン停止時」にワンウェイベアリングと小さなカムによって動作するようです。
 

エンジン停止時に残った圧縮によって僅かに逆回転し、デコンプ用に設定された小さいカムにロッカーアームが乗り上げて排気バルブが完全に閉じきらない状態になります。
次回の始動のときには圧縮圧がモロにかからずに軽い力でセルモーター(キックペダル)が回せる…という仕組みかな。(そんなにいうほどセルは軽やかには回りませんが…)


カム周りも全て分解・点検しましたが異常などはなかったです。
内部の仕上げもとても綺麗で感心しました。

ただロッカーアームのスラスト方向に僅かにガタがあったので気休めで薄いシムを挟んで調整しときました。(これは不要かな?)


カムスプロケットですが、見慣れたホンダ純正に比べて明らかに大きい。
当然、歯数も多い。

左がホンダ純正の当時物スプロケット(シャリー用だったかな?)
同じ三つ穴だから使えるかなー?と思って引っぱり出してきましたが、残念ながら互換性は無いです。

製品としての仕上がりの差がご覧の通り歴然なので、ここは純正を使いたかったなあ…。


後で撮った写真ですがCDIの文字が入ったスプロケットカバーも当然のようにゴツくて大きいです。

刻印文字が C D I ですよーー!と主張しすぎててかなり気に入らない。
さっさと無地の地味なカバーに換えたいのですが…適当なパーツが入手できるまではこれのお世話になります。


ヘッドも外せました。
燃焼室は少し曇っていますね。切削したまんまって感じ。
ピカピカに磨いたほうがいいんだろうけど…ま、このままでいいかな。

バルブ径は計ってないけど結構大きめ?


ここまでバラすとバルブの擦り合せが可能になる。
せっかくだから施工開始。

キジマのタコ棒と付属の黒いペースト(コンパウンド?)で軽くではありますがコツコツスリスリしておきました。
事前にバルブ擦り合せされた形跡はなかったので、ここはやっておいたほうがいい箇所でしょうか。

バルブの付け外しをしたので念の為バルブステムシールも純正新品に交換しときます。

が、ラジオペンチで外す際に1個はきれいに外せたのですが、もう1個はなかなか外れずに悪戦苦闘してるうちにとうとうクニュって握り潰してしまいました(予備部品としてとっておこうと思ったのに 泣)


純正シールと中華シールですが外径・内径・色・見た目は全く同じです。
多分ここは純正ではなく社外品でも使えそう。



シリンダーも抜きたい。

左下にはオイルラインのカラーとOリング入り。
右下の楕円穴(オイルリターン)ってOリング入ってないけど、ここってなにもなかったっけ?
まあいいか。


カムチェーンガイドローラーのボルトがあっさりとなめちゃいました。
用心してたのに…ボルト頭、柔らかいねー。

一応、外れるには外れました。




市販のボルトは使えないのでとりあえずコレは再利用。

シリンダー、無事外れました。

ヘッドガスケットはメタル。ベースガスケットは紙製でしたがきれいに剥がれました。
ガスケットのサイズはいわゆる「中華用ワイドピッチ用」というやつらしい。
純正部品では適合しないので今は手元にガスケットの在庫はありません。
これも再利用します。


次はピストン。

出てきたピストンを見てびっくり。
この写真は外したそのままですがピストンリングの切り口がほぼ揃っています…。

これはオイル上がりの原因になるからアカンのやない?
確か3つの溝でリングの切り口は各120°ずつずらしておく。
で、オイルリングのレールリングが下で30°ずつずらしだったかな。


ピストンリングを折らないように慎重に外して点検します。


まず、ピカピカ仕上げのピストンは良いのですが、エッジに触れると手が切れるくらいに立っています。
油を付けながら目の細かいサンドペーパーでエッジを軽く慣らしておきます。


かなり鋭い。
優しく油とヤスリですりすりします。

加工前 です。


エッジをこの程度に丸めました(自己満足?)

加工後です。


スカート部分も軽くヤスリであたっておきました。


ピストンピンクリップですが、「の」の字クリップが付いてました。
のの字はつまんで外しやすいけどあまり好きじゃないので、純正の「C」型に交換。

あれ?
あとで気が付いたんですが、確か中華125のピストンピンの径は少し大きいはず。
(純正は13ミリ・リーファン用は14ミリ)

でもすんなりと純正のC型クリップが付いたなあ…。
果たして良かったんだろうか…?
(心配になって後でもう一回分解確認したけど大丈夫そうだった)


純正のクリップにチェンジ。
品番は94601-13000。2個使用 。

※2023年1月、追記
多分上記のクリップの品番は間違いです。
正しい部品番号は「94601-14000」のピストンピン14ミリサイズ用✕2個だと思います。
ただ、エンジンはその後もこのピンのまま分解せずに良好な状態で稼働中ですのでピンが外れてしまうなどの事態は起こっていません。
しかしこのままでは気持ちが悪いので近々変えようとは考えています。

「のの字クリップ」よりも細いけど、かっちり収まってます。

画像の部品番号は間違い 「94601-14000」が正解のはず

※追記
↓こちらが正しいピンクリップの画像…次回分解時に交換するつもりで純正品を買い足しておきました。
ちなみに一個33円でした。

94601-14000✕2個
「13000」とか「14000」の部分のところがサイズを表しているのだと思います


ついでにピストンリングの合口隙間も確認。

カブのサービスマニュアルしかないからそれを参考にしたけどトップとセカンドは同じで0.1mm~0.3mmでOK。0.5mm以上あったらダメ…と。

トップリングはOKかな。


セカンドリングは…うん?
これは、ちと狭いんじゃないかな?


隙間が少なすぎると熱くなった時に焼け付きの原因になるかもと思い、合口を少しダイヤのヤスリで他のと同じ程度に削った。
さすがに超硬かった。

ちなみに薄いオイルリング2本、こちらは広めでも良いらしく、0.20mm~0.9mmが正常範囲で1.1mm以上で交換…とある。

確かに広めなのでそのままで大丈夫みたい。



あとはオリフィスの穴とかも見る。
穴径は正確には分からないけど1.5mmの針金がスルッと入る。
1.6mmぐらいあるのかな?

カブは確か0.8mmぐらいだったからざっと2倍。
結構大きめだ。
色んな意見があるオリフィスだが、自分は「オリフィスは触らない派」なのでここはなにも加工しない。


コンロッドはちゃんと焼入れの色が見えてます。強そうで良い感じじゃない?
シリンダーが入る穴も綺麗な仕上げ。


スタッドボルトは全て黒色。
4本中、オイルライン用の1本だけ異質のツルツル表面にギザギザラインの仕上げがしてありました。

他の3本はなんていうか…マット調でした。
少しでもスムーズにオイルが流れるように気を使ってるのかな? 


つづく…

#中華エンジン
#初期オーバーホール